新聞投稿記事 2003年1月11日 月刊千葉ニュータウン新聞より

2003年1月11日
月刊千葉ニュータウン新聞 掲載記事

北総開発鉄道(株)亀甲社長への反論とお願い

吉田 治男

 北総開発鉄道(株)亀甲社長の「高運賃、もう少し我慢を」との記事が11月12日の読売新聞に掲載されました。昨今のように経営環境が厳しく、北総開発鉄道にとって千葉ニュータウンの将来の入居状況が不透明な中での決断には難しいものがあることは承知していますが、長い苦境のトンネルから抜け出され、平成14年度上期決算においても大きな利益を計上され慶賀の至りです。その中からほんの少し利用者への還元を、時を移さず実施お願いしたいのです。大幅な運賃値下げを要求しているものでもありません。ご理解を賜り、実現への英断を期待するものです。

 運賃問題と併せ、鉄道に対する苦言を少々申し上げたいと思います。

 平成12年度に黒字転換、平成13年度には北総開発鉄道(株)は財務面で完全に黒字体質に転化しました。しかし、営業利益は36%という超高利益を計上し、同業他社の4倍の通学定期代を課しながら、その改善を躊躇されているのは一体何故なのでしょうか。長年赤字経営に苦しんだ企業が、他人はどうであれ、何が何でもより多くの利益を上げなくてはならないとする利益至上主義に陥っておられるのではないでしょうか。

 一般企業では、債務超過が即・融資の引き上げ、資金繰りに行き詰まり倒産に直結しますが、北総開発鉄道の場合は、少し様子が異なります。倒産することがないよう、国・県・関係者をあげて支援し今日に至った経緯があります。それには、昭和40年代、50年代の日本経済成長期に地方から都心に集中する労働力の住宅確保のため国策として東京周辺にニュータウンを建設し、鉄道は公共交通機関として通勤の足を担うことで、成長する日本経済を支えた時代背景がありました。また近い将来成田空港アクセス鉄道の幹線としての役割も加わり、いっそう重要な鉄道となりました。だからと言って、高い運賃、特に通学定期代を過大に課し続けてもよいという理由にはなりません。過去の借入金も債務超過分も生み出した利益の中から時間をかけて返済するしかありません。また時間をかければ返済する見通しが立ったと判断してよいでしょう。

 絶望的な経営を強いられた過去の北総開発鉄道に比べると、はるかに事業収入の出る会社に変貌したわけですが、先日の記事では「営業活動、経費節減すべて自助努力の結果だ」との記載がありました。しかし、この認識には誤りがあると考えます。経費節減はともかく、収益が大きく改善されたのは、自助努力の結果というより、運賃がかつての「高金利時代の高水準」に留め置かれているために、借入金金利の低下に伴い大幅黒字が現出したというべきです。そしてその高運賃は利用者の支払ったものです。利益を全部還元してくださいとはもうしておりません。ほんの一部、居間一番困っている通学生を持つ世帯に他社と比べて4倍にもなる負担をせめて2倍程度に納めてくださいという主張です。

 この主張に無理があるでしょうか。

 この主張には沿線4市村住民・鉄道利用者6万4線人にのぼる人たちの署名の形での要望であり、また沿線2市2村の議会からも賛同をいただき、県と国に意見書という形で請願がなされております。この沿線住民・利用者の声に耳を傾けようとされないのですか。無視しようとされるのですか?経営の苦しいときに利用者も共に辛抱して切り抜けてきたものです。にも拘わらず、利益を独り占めにしようとされるのは、世のあるべき姿とは少し違うのではないでしょうか?

 こんなところが、利用者・沿線住民の心境です。


(北総・公団鉄道運賃値下げを実現する会・会長)

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